【ドル円相場分析】FXサンデーレポートvol.42【2020/06/07】

2020/06/07

【週刊】ドル円相場分析

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ドル円相場分析2020年6月7日時点

今週のドル円相場は非常に強い上昇トレンドを形成しました。
107.450~109.850まで2.4円ほどの価格を伸ばし、値ごろ感で逆張りをすると大火傷する相場でした。
一方で、逆張り売りの損切りを燃料としたからこそ、ここまで上昇した可能性も考えられます。

経緯としては、6月2日(火)のロンドン時間から円売りによるドル円急上昇で、これまで上値を押さえつけていた107.900~108.000を試し、超えてストップロスを巻き込み上昇。

108円台後半をつけても下落は限定的で、さらにリスクオンの「ドル売り円強売り」でドル円は上昇。
リスクオンとして、ドルストレートペアも上昇トレンドを作っています。

また、追い打ちをかけるように金曜日の米雇用統計結果では、予想よりも良い結果が報告されたため、円売り中心を要因としてドル円は109.850まで上値を伸ばして週末を迎えました。
今週の終値は109.650台と高値圏に留まっています。

ファンダメンタル的にはマイナス材料になりそうなもの(米中関係、米デモ)があるように思えますが、株為替はリスクオンの雰囲気が止まりません。
ファンダメンタルとは、なかなかどうして噛み合わない印象です。

引き続きニュースを眺めながらも、テクニカル分析中心で相場に対応していきたいところです。
それでは、2020年6月7日時点のドル円相場分析と今後のシナリオを考えていきます。

月足・週足:6月第1週は大陽線、SMAにぶつかる


6月第1週(1~5日)は、「ドル売り円強売り」あるいは「ドル横ばい円売り」を主体としたドル円の上昇を形成しました。
107.450~109.850まで2.4円ほど上昇し、ここ最近では最も値動きした週だったのではないでしょうか。

上図のように6月のローソク足は月足の単純移動平均線SMA(25)にぶつかっており、このSMA(25)がレジスタンスとして働くのか否かに注目です。

ここをブレイクした場合は、次の目標は上限チャンネルラインやSMA(75)が候補として挙げられます。(110~111円台)

ファンダメンタル的には、「米中の対立懸念」や「米のデモ」「コロナウィルスの経済の影響」などマイナス材料がありますが、特に現時点の相場には影響していないようです。

とはいえ、今後注目される可能性もあるので油断は禁物ですね。

また、経済指標については雇用統計が予想よりも良い結果が報告されたことにより、ドル円の上昇を加速させました。
来週10日(水)の深夜27:00~のFOMC政策金利発表と今後の対応についての発言にも注目が集まりそうです。


また、上図のような週足を見るとSMA(200)にぶつかっており、若干の上髭で反応しているように見ることができます。

週明けからこのSMA(200)がレジスタンスとして働くのであれば、いったんは調整の下落が入ってもおかしくはありません。

また、月足・週足で引いた黄色チャンネルライン・水平線はレジサポとして機能していると考えられます。(詳しいレジサポ考察はvol.37, vol.38
そのため下落が調整で終わった場合は、次の上値目標は月足で述べたように110~111円台にかかった上限チャンネルラインであると考えます。

週明けからは月足・週足のSMAのレジスタンスが機能して、調整の下落が入るか否かに注目しています。
レジスタンスを手掛かりとした調整期待はありますが、「上がりすぎだから流石に下がるだろう」と逆張り心理には注意したいところです。

踏み上げられるリスクもあるので。

一方で今後、下限チャンネルラインや水平線105.000のサポートを目指すほどの下落をすると月足・週足の上昇シナリオは考え直す必要があります。

引き続き、月足・週足レベルでの目標値は
・上値:114.100:週足レベルの直近高値
・下値:100.900~95.120:フィボナッチ50~38.2%
ただし、前回の下値の反応を見ると100円台は買いも厚い
ドル円相場分析vol.35より引用

日足:調整の下落が入る①・入らない②シナリオ

メインシナリオは上昇トレンドを考えています。
フィボナッチ23.6%(104.250)を割らない限りは、中・長期的な上昇シナリオをメインと考えています。
詳しくはこちらのnote(vol.32)を参照

下図のように101~111円の上昇を推進1波と仮定してフィボナッチを引いて考えていきます。
今週の急上昇によって、直近の高値であった修正2波の副次b波の高値を超えました。
一気に上昇トレンドの雰囲気に変わった印象です。


週末にとどまっている高値は月足・週足のSMAレジスタンスに当たっているほか、日足のフィボナッチ76.4%の価格帯でもあります。
よって、レジスタンスが機能する可能性が考えられます。もちろん、レジスタンスが機能しない可能性もあります。

そのため、上昇シナリオは
① 上図のような調整を入れる上昇シナリオ
② 下図のような調整が入らない上昇シナリオ
の2つが考えられます。

通常の値動きで考えれば①のようにそろそろ調整の下落が入ってもおかしくはないと考えています。(上記の3つのレジスタンス候補によって)
現時点では、調整の下落(副次2波)が「どのような波形か」は予測は難しいです。

副次1波のフィボナッチ23.6%(107.000前後)を下回る調整をした場合は、上昇シナリオを考え直す必要が出てきます。

また今後、修正2波終点の106.000をブレイクしない限りは「日足レベルの上昇トレンド」を強気で考えても大丈夫ではないかと思っています。
逆に、106.000を割ると月足・週足で考えているシナリオも怪しくなってきます。


一方で、今週のように強い上昇が継続する場合は上図のようなシナリオも考えられます。
こちらのシナリオは通常の値動きではなく、壊れた相場を想定したものになります。

3月に作られた推進1波では、101~111円まで押し目なく急上昇しました。
3月のような狂い上げが6月も来るのであれば上図のような上昇もありそうです。

その場合、週明けから直近高値109.850を超えて110円を試す値動きが予測されます。
売りポジションを踏み上げ続けるのであれば、一気に月足・週足のチャンネルライン(黄色線)の111円台まで上げる可能性も考えられます。

シナリオ①、②のどちらの優位性が高いかは現時点ではどうとも言えません。
「高値掴みのリスク」「踏み上げられるリスク」がある値動きなので、買う場合も売る場合も早めの損切りが吉ですね。

4時間足:①・②シナリオをもう少し詳しく


①シナリオのように、週明けから調整の下落が入る場合は上図のように考えられます。

調整の副次2波の波形は「ジグザグ」「フラット」「トライアングル」などのいずれになるかは現時点では予想することはできません。

一方で値幅に関しては、青色の価格帯(108~109円)で調整の下落は収まるのではないかと考えています。

これまでは、黄色の価格帯(107~108円)でレンジを形成してきましたが、今週の上昇でそのレンジを上にブレイクして1段高い価格帯へ推移しました。

「黄色の価格帯での売りポジが残っている場合」「1段低い黄色の価格帯が押し目と認識された場合」に、このあたりから損切りや押し目買いによる反発の上昇が現れる可能性を考えています。


一方で②シナリオのように上昇を続ける場合には上図のようなことが考えられます。

大きく分けて2つの値動きを想定しています。
・緑矢印のように、軽い押し目を付けてからしっかり上昇
・赤矢印のように、レジスタンス関係なく踏み上げながら狂い上げ

赤矢印のシナリオに関しては、かなり攻めたシナリオです。考えてみたものの可能性としては低いとも思っています。

1時間足:今週の値動きを分析(狂い上げ)


上図の白線より右側が今週(1日~5日)の値動きになります。
今週は2日(火)にレンジを上にブレイクして以降、強い上昇トレンドを週末まで継続していきました。

週明けの値動きで注目すべきは、高値を切り上げるのか・安値を切り下げていくのかです。
・直近高値109.850を超えた場合は、緑矢印のようにさらに上昇トレンドを継続する可能性があります。(緑矢印)
・直近安値かつ直近の上昇の付け根109.150まで下落した場合は、調整の下落が始まる可能性があります。(①、②シナリオどちらのレベルの調整かはこの時点ではわからない)
(白矢印)

週明けは高値・安値の切り上げ・切り下げを注意深く見る必要がありますね。

まとめ

今週は、これまでに上値を押さえつけていた108.000を上にブレイクしたことをきっかけに大きく上昇し、一気に109.850台まで高値を伸ばしました。

日足レベルの直近高値(修正2波副次b波)を超えたことから、上昇シナリオの優位性も高くなったと判断しています。

週明けからは、現在の上昇の勢いが継続していくのか・それとも調整の下落が始まるのかに注目です。

直近の相場では、かなり高値圏に入るので買いでの高値掴みには注意したいところです。
一方で、上昇の勢いも想像以上に強かったので、逆張り売りで踏み上げられることにも注意です。(損切り早めが吉ですね)

短時間足(1時間足以下)の高値・安値の切り上げ・切り下げをヒントに売買判断とシナリオの舵取りをしていきたいところです。

以上、2020年6月7日時点でのドル円シナリオ分析レポートでした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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