【ドル円相場分析】FXサンデーレポートvol.41【2020/05/31】

2020/05/31

【週刊】ドル円相場分析

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ドル円相場分析2020年5月31日時点

5月もあっという間に終わりですね。明日から6月、暑くなってきました。

さて、今週のドル円相場は25~28日までは107.350~107.900でのレンジ相場。

29日はレンジ下限を割って下落したものの107.000をキープ → 米中関係に関する要人発言+週末・月末のロンドンフィキシングを伴って107.900あたりまで急に戻しました。
深夜にはトランプ大統領の会見もありましたが、今のところ相場にはあまり影響は出ていないようです。(週明けの窓開け+次の動きには注意したいところですが)

「ドル買い円買い」「ドル売り円売り」という展開が多くドル円は上下、またリスクオン・オフで「ドル買い」なのか「ドル売り」なのかも判断が難しい印象です。

現在の相場がリスクオンなのかリスクオフなのかも難しい...

日経平均やダウ平均はここ最近上がりっぱなしですが、米中関係の問題も見えている状況なので噛み合わない印象。

ファンダメンタルの材料で売買判断するのは難しそうですね。
引き続き、ニュースを気にしつつもテクニカル分析で売買判断していきます。

それでは、2020年5月31日時点のドル円相場分析と今後のシナリオを考えていきます。

月足・週足:5月は下ヒゲ陽線で終了


5月最終週は、上値108.000が重いものの107台後半で週末を迎えました。(終値は107.830)
月足で引いた下限チャンネルラインとフィボナッチ61.8%(106.550)がサポートとして機能していると考えられ、5月のローソク足は下ヒゲ陽線で確定となりました。

6月の相場はリスクオン・オフになるのか、それによる「ドルと円の売り買いバランス」がどうなるのかは判断は難しいところです。
今のところは米中関係の悪化懸念・進展期待がカギとなりそうです。

とはいえ、下限チャンネルラインのサポートが効いている限り、次の目標は上限チャンネルラインなのではないかと考えています。
フィボナッチ61.8%(106.550)を再度目指す雰囲気になると上昇シナリオは怪しくなります。


週足で見ると上図の黄色〇のようにレジスタンス・サポートが効いています。
今月は下限チャンネルラインのサポートが効いており、3週連続で陽線を見せています。
(詳しいレジサポ考察はvol.37, vol.38

週明けの6月からはこの陽線を手掛かりに上限チャンネルラインを目指すのかどうかに注目しています。
① キリ番である110.000まで行くのか
② その辺りのレジスタンスの反応(ブレイクするか否か)
③ 下限チャンネルラインへ戻り、そしてブレイクしないか
以上の3点が中・長期的な課題と考えています。

上限チャンネルラインをブレイクした場合、上値目標はフィボナッチ76.4%(114.100)と考えています。(これまでにレジスタンスとして実績あり)
一方で今後、下限チャンネルラインや水平線105.000のサポートを目指す値動きをするとレンジもしくは下落シナリオを考える必要が出てきます。

引き続き、月足・週足レベルでの目標値は
・上値:114.100:週足レベルの直近高値
・下値:100.900~95.120:フィボナッチ50~38.2%
ただし、前回の下値の反応を見ると100円台は買いも厚い
ドル円相場分析vol.35より引用

日足:108.000と107.000どちらも堅い印象

メインシナリオは上昇トレンドを考えています。
フィボナッチ23.6%(104.250)を割らない限りは、中・長期的な上昇シナリオをメインと考えています。
詳しくはこちらのnote(vol.32)を参照

下図のように101~111円の上昇を推進1波と仮定してフィボナッチを引いて考えていきます。


直近の値動きを見ると修正2波が完成たと考えられ、現在は推進3波の副次1波を作っている途中であると考えています。

一方で、フィボナッチ61.8%(108.000)や単純移動平均線SMA(75)に上値を抑えられている期間も長いです。
このままレジスタンスが機能すると107.000側へ反落する可能性も残っています。
その場合、副次1波は完成→副次2波へ。

また、先週末(29日)のローソク足を見るとSMA(25)がサポートとして機能しているとも考えられます。
週明けにこの上昇を維持しながら上のレジスタンスをブレイクするかどうかに注目です。

5月中旬からの値動きを見ていると下値は107.000~.300、上値は107.900~108.000で抑えられています。
下値・上値ともに堅い印象であり、ブレイクした方向に短期間で大きく値動きしそうだなと考えています。(だましもあるのでブレイク狙いのエントリーは注意ですが)

引き続き、大まかには上図の白矢印のような5波動の推進3波をメインシナリオとして考えています。

一方で106.000を割るとこのシナリオは破綻します。
また、105.000を割ると中・長期的な上昇シナリオ(週足レベル)も怪しくなり、104.250で破綻すると考えています。

4時間足:副次1波は完成したか未完成か?

108.000の上値が堅い + レンジ相場が続いていることから、副次1波が完成しているのか否かが判断が難しいのが直近の問題です。

推進3波の副次1波が完成しているシナリオ、未完成シナリオの2つを考えていきます。


副次1波が完成しているシナリオは上図のようなカウントを取ってみます。

上値108.000の抵抗が重く、副次(5)波がフェイラーした「ダイアゴナル」系と考えられます。
下限チャンネルラインをブレイクしており、すでに副次2波のB波目まで作られている可能性があります。

副次2波を黄色矢印のような「フラット」系と想定すると、週明けから再び107.000を目指して若干107円を割ることが考えられます。
その後、副次3波の上昇波動へ移行するシナリオが考えれます。


一方で、副次(2)の下値を割っていない + 週末の急上昇を手掛かりに副次1波未完成シナリオも考えられます。(チャンネルラインの形から「拡大ダイアゴナル」を想定

副次(4)波が黄色線のような3波動で構成されていることが考えられます。(副次波的に「フラット」系に近い)
そして、週末の急上昇で直近の下落分をほぼ全戻ししているので、副次(5)波が始まっている可能性があります。

週明けから再び107.000を目指さない限り、上図の緑矢印のような上昇シナリオが優位的であると考えています。
典型的な上値目標は上限チャンネルラインですが、ファンダメンタルやストップロスの状況によってフェイラー・スローオーバーの可能性もあります。

副次1波が完成した後は、黄色矢印のような副次2波の下落が想定されます。
現時点で副次2波の下落幅や波形パターンは予測できません。

1時間足:今週の値動きを分析(レンジ相場→ブレイク)


上図の白線より右が今週(25日~29日)の値動きになります。
今週は、先週からの値動きを引き継いで107.350~.900で上下するレンジ相場がほとんどでした。

29日の東京時間では下限水平線(107.350)をブレイクする場面がありました。
しかし、107.000手前で買い支えられてロンドン時間+NY時間で急上昇。上限水平線(107.900)までほぼ全戻ししました。

週末深夜(3:30過ぎ)にはトランプ大統領の会見によって、中国に対する発言がありました。発言中やその後は反応薄でしたが、週明けから相場参加者がどう動くかに注意したいところです。


上図のように、週末の上昇が107.900で終了していると仮定してフィボナッチを引いてみます。

週明けから下落が始まったとして、フィボナッチ23.6%(107.250)以上で止まれば、4時間足で想定した副次(5)波の上昇シナリオが優位的と考えられます。

一方で、107.250をブレイクした場合は4時間足で想定した副次2波のような下落シナリオが優位的になります。


また、直近の値動きにおいて107.900~108.000(赤い範囲)はかなり上値が重かった価格帯です。
ここの価格帯を上に抜けるとストップロスを巻き込んで短期的に上昇しそうであり、逆に売り圧力が強ければ、この現在の価格あたりで跳ね返されるでしょう。

まとめ

5月は106.000から107.000へ上昇したあとは、107.000~108.000でのレンジ相場で終わりました。また、直近では107.300~107.900でレンジを作っています。
5月中旬から下旬にかけて方向感がなくなってきた印象です。

107.900~108.000の上値が異常に重い印象で、一度抜ければストップロスを巻き込んで急上昇もあり得そうだなとも考えています。


週末にはトランプ大統領の会見(WHOや中国に関するもの)があったので、週明けの窓開けや中国側の要人発言に注意したいところです。(あと、トランプ大統領のTwitter)

・今はリスクオン・オフなのか問題
・それでドルが買われるのか売られるのか問題
・ドル円の方向感がまた薄れてきている問題
以上の3点から難しい相場だなぁという印象ですが...6月も頑張っていきましょう !


2020年5月31日時点でのドル円シナリオ分析レポートでした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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